リラックス法

休みのないデスクワーク、スマホから放射されるブルーライト等により、リラックスする隙間がなく、意図的にリラックスをする必要がある時代となりました。

積極的・能動的に行うことにより、効率良くリラックスすることができそうで、今回はリラックスする技術(スキル)についてのまとめと考察です。

1.リラックスの重要性

血流、内臓の機能、ホルモンの分泌といった我々の体内の機能は、自律神経によってコントロールしています。

文字通り「自律」した神経であるため、特段の努力を要せず、心臓を動かしたり、食べ物を消化したりすることができます。

一方で、自律神経は個人の意思でコントロールすることが難しいものでもあります。

自律神経には、1.交感神経と2.副交感神経があります。

1.交感神経・・・体の活動・緊張が高まり、”fight-or-flight(闘争・逃走)”反応が起きる
2.副交感神経・・・体の活動を抑え、体を回復・修復させる

長い間、地球上で弱者であり続けた人間の脳は、現在に至っても基本的な機能は変化しておらず、絶えず危険やその兆候を探し続けているといいます。

そのため、生死の危険がない日常であっても、交感神経が働き過ぎている場合には、些細な刺激や脅威が大きなストレスの原因となる”fight-or-flight”反応が起き、これが交感神経を興奮させるスパイラルに陥ってしまいます。

このスパイラルの欠点は、以下の2点です。

1.長期的な生存率の低下
2.生産性・パフォーマンスの低下

1.長期的な生存率の低下

交感神経と副交感神経とのバランスが崩れ、交感神経が興奮したままであると、消化不良、成長障害、生殖機能不全、免疫系の低下が生じる可能性があり、体が持つ機能を十全に発揮できなくなります。

2.生産性・パフォーマンスの低下

悪者とみなされやすいストレスですが、ストレスは自身の成長やパフォーマンスの向上に必要なものでもあります。

下図のように、ストレスレベルが低い場合には、無気力や退屈等、やる気がない状態であるのに対し、ストレスレベルが高い場合には、頭に血が上った状態で冷静な判断ができない可能性が高まります。

ストレスレベルとパフォーマンスの関係

適正なストレスレベルは、集中する対象によって異なり、野球やボクシングのような短時間で爆発的な集中力が必要な場合は、ストレスレベルは比較的高い状態の方が望ましいでしょうし、ひらめきやアイデアが求められるデスクワークではストレスレベルが低い方が望ましいです。

デスクワーカーで必要なストレスレベルまで上がらない原因は、大きくは、1.目的意識の欠如、2.慢性疲労による機能低下、ではないでしょうか。

慢性疲労を解決するにも、リラックスによって副交感神経を優位にする、ストレスレベルが高い場合にもリラックスによって冷静になる、とデスクワーカーにとってリラックスは必須のスキルと思います。

2.リラックスとは何か

ここでは、交感神経=エネルギー消費、副交感神経=エネルギー回復を前提とし、

リラックス=エネルギーロスが最小化、エネルギー回復が最大化に向かっている状態

をリラックスの定義としたいと思います。

エネルギーロスの最小化およびエネルギーの回復を促す要素は、以下の通りです。

エネルギーロスの最小化

  • 雑念のない精神状態(瞑想)
  • 重力に対して無駄のない姿勢

エネルギー回復の最大化

  • 食事
  • 睡眠
  • 運動
  • 風呂
  • 呼吸法
  • ツボ
  • ストレッチ
  • ポジティブなマインド

このうち、デスクワークの合間にできる方法(即効性のある方法)は、

    ・瞑想
    ・姿勢
    ・呼吸法
    ・ツボ
    ・ストレッチ
    ・ポジティブなマインド

と考えられます。
今回は、姿勢、ツボ、ストレッチ、マインドを取り上げたいと思います。

3.即効性のあるリラックス法

要素をいくつか挙げましたが、順不同で行ったとしても効果は一定でしょうか?

少なくとも、マインドフルネス瞑想には、
1.環境を整える、2.姿勢・呼吸を整え、リラックスする、3.マインドフルネス瞑想をする、の手順があります。

これは、雑念を抑える=過活動状態にある脳の一部(後帯状皮質)を鎮静化することは容易ではなく、準備が必要であることを意味しているように思います。

では、最も優先される要素はなんでしょうか?
これは、文献で示唆がなかったため、私なりの解釈を含めて、最優先事項を以下に列記していきます。

1.ポジティブなマインド

リラックス状態にある脳波(アルファ波)により、代謝が良くなり免疫力が高まるそうです。

同じリラックス法でも、脳波によって、その効果が全く異なることから、

リラックス法の最も基本的な位置付けにあるのは、ポジティブな(アルファ波状態にある)マインド

であると思いました。

アルファ波状態でなければリラックス効果が小さいとすれば、

全てのリラックス法は、自身の快・不快で決めるべき

と考えられます。

積極的にリラックスしようとしているときは、『心地良いか』と自分自身を観察することが、ポジティブなマインド作りの基本行動となります。

思考を方向付ける言葉も有効であるとされます。

例えば、「今、リラックスしていて気持ちがいい」と思うことで、リラックス状態に入りやすくなるかもしれません。
私の場合は、単純に「今、リラックスしてるなー」と今の自分の状態を言葉にする「ラベリング」が最も効果が高いようです。


この思考方法を突き詰めていった手法として、認知行動療法があります。

認知行動療法は、出来事に対する自分の受け取り方(認知)を確認し、認知から生じる感情を修正していく手法です。

これは、私には合いませんでした。
おそらく、慢性的な脳疲労を抱える私にとって、考えさせられすぎるので、うまくリラックスできずに不快に感じるためと思います。

一般的に確立された手法であっても、その人によって、場面によって、合う・合わないがあるので、その都度、心地良いと感じるリラックス法を選ぶことが重要と思います。

また、心地良さから遠ざかる思考方法があります。

~しなければならない」

リラックス法にとって禁句です。

いつも決まって~をしているから、今日もしなければならない、

は結構、思いがちですが、リラックスから遠ざけてしまうので、気を付けなければなりません。

2.ストレッチ・ツボ

姿勢(調身)よりもストレッチやツボを先に取り上げたのは、最も楽な姿勢を取った後に瞑想に移りたいからであり、作った姿勢をストレッチで崩したくないためです。

また、調身とストレッチとでどちらか一方を行った場合にリラックス効果が高いのもストレッチであると思われます。

リラックス効果面でストレッチやツボ押しで期待される効果は、主に血流の改善です。

筋肉が硬化したままの状態が続きますと、血管が圧縮されたままになり、エネルギー供給源となるアデノシン三リン酸(ATP)などが不足します。

さらに、首・背中・肩の筋肉が硬化すると、脳を保護し、脳内の老廃物を洗い流す役目の脳脊髄液の流れが悪くなります。脳脊髄液の流れが悪くなると、免疫力の低下や自律神経の乱れといった不調につながるそうです。

ストレッチは、筋肉の硬化の解消や血流の促進に効果があり、ツボ押しは血流の促進に効果があります。

血行促進は有酸素運動やゆする動きも有効とされますが、これは運動の項目の中で取り上げたいと思います。

ストレッチの方法

全身を満遍なくほぐすことが望ましいですが、時間がかかるため、個人的にはストレスの元となります。そこで、以下の手順が良いと思います。

  1. 全身の中で特に張りや凝り、違和感がある部分を探す。私の場合は、ふくろはぎ、腰回り、背中、肩、首、目であることが多いです。
  2. ストレッチしたい部分を決め、1回60秒を目安に伸ばす。ストレッチの効果が現れるのは10秒以上、効果が最大となるのは60秒を保持することであるそうです。

伸ばし方は、自分が一番気持ちいいと感じる方法がベストと思いますが、私の方法をまとめておきます。
※筋を傷めない無理のない範囲で行うこともポイントです。

ふくろはぎ

つまさきを机の前の壁のようなものを利用して保持し、かかとを壁に押し付ける。

腰回り

アームレストをつかみ、体を引き上げつつ、ひねる。

背中

頭を両腕で抱えつつ、体を前に倒す。

左右、後ろに倒す、回す。

手のひらで目の周りを抑え、目の周りの表皮を優しくゆする。

目の周りのツボを優しくもみほぐす。

ツボの位置の目安は下の写真の通りですが、気持ちがいいと感じるところであれば、いいと思います。

4.まとめ

長々と書いてしまいましたが(そして、かなり大胆に割愛もしましたが)、ポイントは

  • 気持ちいいと感じられ、
  • 血行が良くなるようなこと

であればなんでもいい、が今回の調査結果の結論です。

もっと良いリラックス方法があれば、ぜひ教えてください!

参考文献

  • 竹井 仁, “姿勢の教科書”, ナツメ社
  • “The Relaxation & Stress Reduction Workbook”, 6th ed., New Harbinger Publications, Inc.
  • 原田 賢, “自律神経整え方BOOK”, ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 北川 貴英, “最強のリラックス システマ・リラクゼーション”, マガジンハウス
  • 久賀谷 亮, “世界のエリートがやっている 最高の休息法”, ダイヤモンド社

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